[加水分解] カメラグリップのベタつきとその除去,対処方法 [EOS Kiss DIGITAL,D70]
キヤノンのEOS Kiss DIGITAL(2003年9月発売)のグリップが、ヒドいことになっている。
マズは、下の動画をご覧いただこう…
グリップの素材が空気中の湿気(水分)により加水分解(かすいぶんかい)を起こし、ベチュアベチュアになっている。
撮影機材:SONY α700(DSLR-A700),SONY DT 30mm F2.8 Macro SAM(SAL30M28)
ベチュアベチュア度が尋常ではないので、既に手では持てなくなっているのだ。
グリップの反対側(背面から見て左)も、加水分解により溶けていることが分かる。
撮影機材:SONY α700(DSLR-A700),SONY DT 30mm F2.8 Macro SAM(SAL30M28)
ベタつきの度合いがヒドく、触れたものを汚すため、ビニールの類で巻いて保管している次第(より進行の可能性は理解した上で)。
これは、加水分解という現象だ。
グリップと空気中の水分とが反応し、分解され、ベタつくのだ。
ウレタン素材の靴底が割れるのも、同じ加水分解である。
フィルムカメラの内部遮光材として使われているモルトプレーン(黒いスポンジ)も同様。
ボロボロなって崩れ、カメラを汚す始末。
マウスの側面がベタつくのも加水分解。
関連:マウスの加水分解のベタつき除去作戦(ヴェタヴェタ/ヌェトヌェト)
また、ノートパソコンの足でも発生することがあった。
関連:VAIO(ソニーのノートパソコン)のゴム足が溶ける問題 [加水分解]
関連:SL-CT430(ポータブルCDプレーヤー)に加水分解が発生!
中古カメラ屋では●●で拭き落としている(※)が、再び加水分解が進むので、一時しのぎであり、解決にはならない。
※中古屋のEOS Kiss DIGITALのグリップは、表面が拭き落とされた結果、いやに光沢があるのが分かる。
カメラのグリップといってもいくつか素材的な種類があるだろうから、必ずしも効果があるとは限らないだけでなく、悪化する可能性もある。
また、肌が弱い人はカブれることもあるだろうから、以下は自己責任で。
このサイトおよび管理者は、一切責任を負わない。
消しゴムでベタつきごと除去する方法もあるが、そんなに簡単には除去できるモノではない。
そこで、以下の方法を提案する。
作業の際は、ビニールシートや新聞紙を下に敷き、汚れてもいいような服装で行うこと。
<ベタつきが軽い場合①>
無水エタノールを布に染み込ませて、ベタつきをふき取る。
無水エタノールは消毒用としてドラッグストアで買えるし、ネットでも普通に買える。
エタノールは揮発性が強いので、使用後はフタをシッカリ閉めること。
また、可燃性があるので保管には注意。
<ベタつきが軽い場合②>
シール剥がしスプレーでベタ付きを除去。
シール剥がしスプレーは100円ショップにも売られているのだが、
100円ショップのものは弱く役に立たないため(相手はシールではない)、強力タイプが好ましい。
3M クリーナー30 シールはがし 強力 100ml CLEANER30 MINI
ベタ付きが頑固なら、シール剥がしスプレーを多めに塗布し、しばらく待ってからヌグおう(下にタレるので注意)。
<ベタつきが軽い場合③>
ベタつきはアルカリ性で除去できるので、炭酸水素ナトリウムの水溶液でもOK。
炭酸水素ナトリウムとは?となるが、「重曹(じゅうそう)」といえば分かるだろう。
重曹を水に溶かし、布に付けて拭く!
重曹は食品にも使用されているので、手に付いてもそれほど危険ではない。
<ベタつきが重い場合>
上の動画のようにベタつきが重症の場合は、シールはがしや重曹は通用しない。
もっと強力なエキが必要となる。
すなわち、pH13という強アルカリ性であるシャープシューターでセメよ!
強アルカリ性なので、扱う際はゴム手袋などをし、防御するコト。
スァムォないとスィヴァクしてしまうゾ!
そして、セメたあとは、ヨク除去すること。
ベタ付きが取れたら、シリコンスプレーを薄く塗布。
直接かけると多すぎるので、布に付けてから、その布で薄く塗布する。
これは100円ショップには売られていないので、ネット通販やホームセンターで買う。
KURE(呉工業)のものが有名だが、KURE5-56ではないので注意!(外観が似ている)
重曹が余ったら、以下のような用途に使える。
<重曹が使える掃除の場面>
■コーヒー、紅茶、茶しぶなどの汚れ除去
水を含ませたスポンジに重曹を付けて磨く。
■鍋の焦げ付き
水を入れた鍋に重曹を入れて煮立たせ放置するとコゲが浮き上がるのでスポンジで洗う。
■ガスレンジ、洗面台・流し台の汚れ、黒カビに
水を含ませたスポンジに重曹を付けて磨く。
汚れがひどい時は重曹を直接かけてしばらく置いてから磨く。
なお、重曹とクエン酸は全くの別物なので注意(水溶液が弱酸性となってしまう)。
しかし、グリップが加水分解しやすい素材でできている以上、上記も根本的な解決とはならない。
加水分解が進んだ場合、グリップを交換することになるが、部品が手に入るかどうか…
そこまでするくらいなら、よほど気に入ったカメラでない限り、他の機種を買った方がよいだろう。
古いBODYでも、劣化しないグリップを使っている機種もあるからね。
私の持っている機種でベタついているのは、上で書いたEOS Kiss DIGITALと、ニコンのD70(2004年3月発売)のみだが、D70は少しベタつきを感じるもの、汚れるほどではない。
撮影機材:SONY α700(DSLR-A700),SONY DT 30mm F2.8 Macro SAM(SAL30M28)
しかし、そもそもベタつくような素材を、カメラに使うとは?
カメラメーカーは、その歴史が、経験が、伝統が(笑)などというが、グリップのベタ付きを予測できない程度の浅いモノかね?
歴史も伝統もないようなスマホのカメラ、ベタ付きませんけど。
# 加水分解は靴底のワレなどで昔から知られており、特別なものではない。
関連:マウスの加水分解のベタつき除去作戦(ヴェタヴェタ/ヌェトヌェト)
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関連:SL-CT430(ポータブルCDプレーヤー)に加水分解が発生!
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