α77II(ILCA-77M2)で机上動画撮影を考える – ファイル形式,液晶,レンズ,駆動音,音声モニター,AF,ビットレート
YouTubeを見ていると、机上を写しての商品レビューを見かける。
ビデオカメラでなくても、iPhoneなどを使っているものもあろう。
が、ある程度の画質を求めるなら、やはり専用のカメラを使いたい。
そこで、動画撮影機能のあるカメラを使うことを考える。
私が所有しているα77II(ILCA-77M2)には、動画の撮影機能がある。
静止画ばかりを撮っているので、ほとんどスルーしていた部分だ。
実際に動画を撮ってみると、F値が3.5に固定されるなど、使い勝手はよくないが、まぁ仕方がない。
<ファイル形式>
記録方式は、AVCHDかmp4が選択できる。
AVCHDは使いにくいので、mp4で撮ることが多い。
だが、mp4の場合、
・1440×1080(12M)
・VGA(3M)
の2種類しか選択できない。
VGAはさすがに使えないので、1440×1080を使用している。
AVCHDでは1920×1080、つまり16:9のフルHDで撮れるが、mp4では1440×1080、つまり16:9では撮れない。
1440×1080で撮影したmp4をAviUtlに読ませると、確かに1440×1080となるのだが、明らかに映像が縦長になっている。
そこで、AviUtlの拡張編集のリサイズ(メディアオブジェクト)でX(横)を134%に引き伸ばすと、適した絵になる。
つまり、1080×134≒1920ということだが、これはイッタイ、どういうことなのか…
mp4ファイルを再生ソフトで再生すると縦長にならないので、AviUtlの解釈がヘンなのか?
α77II(ILCA-77M2)で撮ったmp4がAviUtlで縦長になるという人は、拡張編集のリサイズ(メディアオブジェクト)で回避しよう。
Lanczos 3-lobedを使って横に伸ばすと、配置したテキストなども横に引き伸ばされてしまう。
関連:動画をAviUtlに取り込むと縦横比が狂う現象(縦長になる)
有料ソフトを使うとこのようなことはなさそうな気がするが、そんなに凝った動画編集はしないので…
なお、カメラの設定で3:2か16:9が選択できるが、これは静止画のみであり、動画には効かない。
<液晶>
α77II(ILCA-77M2)は三軸チルトの液晶であり、カメラ前面に向けることも可能なので、自撮もできる(しないけど)。
自撮をしなくても、側面など多少ズレた方向からも見ることができるので、この液晶は必須。
外部モニターを付ければ自由度は増すが、カンタンな動画にそこまでしていられない。
<レンズの選択>
広めのレンズでないと、ごく一部しか写らない。
私の持っているレンズでもっとも広角なのは、シグマの17-70mmなので、これを使用。
接写に強いので、机上のレビューには向くだろう。
また、動画の手ブレ補正をONにすると、画角が狭くなってしまう。
動画の手ブレ補正はOFFにしよう。
三脚に乗せていると、OFFにしても問題ないハズだ。
<レンズの駆動音>
動画撮影を行う際、レンズをAFにしていると、レンズの駆動音が入る。
本体マイクはレンズの真上にあるので、確実に音が入ってしまう。
これを防ぐには、MFにする手があるが、対象が動くとピンボケになってしまう。
そこで、マイク端子に外部マイクを接続し、そのマイクから音を拾うのがいいだろう。
自分が話すなら、有線のマイクでいいので購入し、それを本体側面のマイク端子(赤)に接続、マイクを襟元などに装着すればいい。
但し有線の範囲内なので、カメラが近いと、やはり駆動音が入ってしまう。
できるだけカメラから離れよう。
動画編集時にBGMを重ねると、駆動音が多少気にならなくなる。
<音声のモニター>
動画では、音声も重要。
α77II(ILCA-77M2)は、上位のα99(SLT-A99V)とは異なり、音声をモニターできないので、レベルメーターで見るしかない。
# α99には音声出力端子があり、音声をモニターできる。
録音レベルはメニュー内の深い階層にあり、設定しにくい。
しかも撮影モードダイヤルが動画になっていないと、グレーアウトして設定できないという罠。
<AFの設定>
AFエリアの設定に注意。
中央一点だと狭いので、ゾーンで中央付近を選んでおくと良いだろう。
撮影途中でAFエリアを変えることは困難(できるがカメラに触れる必要がある)ので、撮影に適した設定にしておくこと。
動画撮影といえばPanasonicのGH4が有名だが、本格的な撮影ではないので、既に持っているカメラで行いたい。
オリンパスのXZ-2はコンパクトで適するが、画角が狭く、液晶の稼動範囲が狭いので机上の撮影には向かない。
机と自分の間に置けば使えるかもしれないが…
ニコンのD7000も動画撮影可能だが、液晶が動かず、広いレンズがなく、しかも24fpsのみなので除外。
α55やα57(SLT-A57)でも動画は撮れるが、液晶の稼動範囲が狭い。
それに、α55は熱問題(動画の撮影時間が非常に短い)があるしね。
となると、やはりα77II(ILCA-77M2)になるのだ。
<ビットレート>
α77II(ILCA-77M2)は、動画は撮影できるものの、実際に撮ってみると、どうも画質が悪い。
おそらくだが、ビットレートの低さに原因があると思われる。
AVCHDの最高である1920×1080(60p)で約28Mbpsだしね…
mp4なら、1440×1080(30fps)で、約12Mbps(平均ビットレート)だ。
PanasonicのGH4では、mp4でも50Mbpsとか100Mbpsとか200Mbpsとかを選択できるので、この時点で勝負にならない。
α77II(ILCA-77M2)は、ファームウェアv2.00を適用することで、XAVC Sに対応するが、GH4には及ばないだろう。
まぁ、α77II(ILCA-77M2)は動画用のカメラではなく、連写に主軸を置いた中級機なので(それもアヤウイが)、画質は妥協するしかない。
ライトの当て方や色の設定でゴマカス工夫するしかないだろう。
工夫なしに撮ると、青みがかった、粗い動画となる。
関連:α77II(ILCA-77M2)の新ファームウェア(Ver.2.00)を適用 [オートフォーカス速度向上,XAVC Sに対応]
関連:動画をAviUtlに取り込むと縦横比が狂う現象(縦長になる)
ちなみに、α77IIとGH4は、現時点での販売価格がほぼ同じ。
α77IIの発売は2014年6月6日、GH4のソレは2014年4月24日。
GH4は動画の質が高く人気があるので、値下がりが止まっている状況か?
最安の店では、α77IIの方が数千円だけ高いようだ。
Eマウントばかりで放棄されたAマウント。
α77IIはその最終機となるのだろうかw
追記:ファームウェア(Ver2.00)へのアップデート後、XAVC Sで録画するには、Class10以上のSDXCカードが必要(SDHCでは不可)だが、カードを入手したので、以下に記す。
関連:α77II(ILCA-77M2)の動画記録(XAVC S,AVCHD,MP4)
売り上げランキング: 28,687
売り上げランキング: 47,580